うつは体から治す

更新日:2012.01.16

うつになったら...
病院で薬をもらいカウンセリングに通うというイメージがあります。
更に今注目されている認知行動療法をやってみるという方もいるでしょう。

これは『心』を治すことにより、うつを克服しようとしている行為ですね。
これはこれでとてもいいのですが、実は、うつは心の治療だけで治すのは非常に難しいのです。

なぜでしょうか?

それはうつは心の病気でもあるけれど、それと同時に『体』の病気でもあるからです。

例えば、うつになると思考力が低下してきます。
思考力が低下した状態では、カウンセリングを受けるのは非常に疲れます。
色々な話をすることさえ疲労で困難な状態です。

認知行動療法も同じです。
患者さんの思考力を使うことが必要なうつ治療は、うつが悪化している状態では患者さん本人が困難なため適さないのです。

そして重要なことが他にもあります。

実は、体の状態がわる時には、思考がゆがんでしまうのです。

例えば、胃が痛い時を思い出して下さい。
あまりにも胃が痛い場合に、「ひょっとしてこれは胃ガンかもしれない」と思ったことがある人も多いのではないでしょうか。

つまりこれは、体の悪い時は現状よりも「ネガティブ」に考えるものなのです。
これをネガティブに考えないようにしても、反射的に思ってしまうものなので無理があります。

なぜなら、体の中には『原始反射思考』が残っているからです。
原始反射思考とは、原始時代には生き抜くために有効だった無意識的で反射的思考です。

例えば、原始時代には、野生動物から食べられてしまうかもしれないという危機が常にあります。
そのため、危機を常に予測しなければなりません。

仮に今が原始時代だとします。
そしてあなたは体の調子が悪いとします。

するとどうでしょう。いつ野生動物が襲ってくるかわかりません。
そのため、あなたは「常に最悪」のことを考えてその準備をしなければなりません。
そのためには...

  • あそこから襲われたら、あっちに逃げよう。
  • この動物が襲ってきたら、この武器で応戦しよう。
  • 夜に襲われたら、この陰に隠れてやり過ごそう。

このようにネガティブに考え、そしてそれに対応することで、危機から逃れられる可能性がグンと高くなるのです。

体の調子がいい時よりも悪い時の方が動きも鈍いです。
そのため、体の調子が悪い時には、いつもより悪い方に考えないと危機に対応できません。

このような原始レベル反射があるため、まずは体をある程度治してから心を治す必要があります。

体を治すというのは、まずは休養が必要です。
あれこれ考えずに、ひたすら休みましょう。

そして、体から出ている症状、例えば、疲労感や不眠症や食欲不振などや体のゆがみ、例えば、骨盤や背骨、そして頭蓋骨などのゆがみを治すことです。
筋肉の緊張を取ることも有効です。

当院でもひどいうつの患者さんには、まずは筋肉の緊張を取り、骨盤や頭蓋骨などのゆがみを取るための整体を行います。
これは体から治そうとしているからです。

体がよくなれば、原始反射思考による思考のゆがみがなくなります。
そのため、整体で体を治すことにより精神的ストレスまで軽くなり、症状が改善することはよくあることです。

「うつ=心の病気」と考えずに、「うつ=心と体の病気」と考えてみると、整体などの体を整える施術が必要なことが分かるでしょう。

カウンセリングなどは、整体の後に受けるのがいいのですね。