やる気が出ないときの対処法

2019年10月開催 心と体の勉強会 音声テキスト No.5

やる気が出ないときの対処法

ネガティブ思考への対処法

「ネガティブ」についてもお話ししましょう。
ネガティブな方はいますか?大概の人はネガティブなんですよ。
ではなんでネガティブになるか。
これは、防衛本能の一つなんですね。 防衛本能というのは、さっきの不安の話のときにも言いましたけど、ネガティブに考えておけば、実際にネガティブな状況になったときに心の痛手とか、物事をちゃんと準備しておく人であれば準備しておくので、あんまり痛手を被らないですよね。
だから「ネガティブに考えてしまう」という人は、不安な人と一緒なんです。
なので、交感神経を高める必要があるんですね。

やる気が出ないのはエネルギー不足

参加者Bさん「やる気が出るようになるにはどうしたらいいでしょうか」

「やる気を出す」といったときに、さっき言っていた「エネルギーが最低限ギリギリしかない状態」だったら、絶対にやる気は出ないです。
生物的にエネルギーを消耗しないようにするので。
じゃあどうするか。
休むしかないんですよ。

じゃあ休むって何か。
休むというのは、思考も感情も動きも休ませるんです。
例えば、寝てます、休んでます。だけど、思考では「あー今日はゴミ出しの日だな、ゴミ出さなきゃな…。ゴミ回収に来るの早いからな、8時くらいまでだよな…」と7時くらいにそういうことを考えていると、休めていないです。
(休むときには)そういうことは考えないんです。
あれやらなきゃ、これやらなきゃとか。もう一切そういうことは放棄しちゃう。
放棄しないと、そういうことを手放さないと、休めないんです。

なぜかと言うと…脳というのは三層構造になっているんですね。
いちばん外側が「思考」なんです。「頭」っていうやつです。
真ん中が「心」、「感情」なんです。
いちばん内側が「体」なんですよ。ここがいわゆる自律神経なんですね。

で、この自律神経というのは、「嘘か本当かがわからない」んですよ。
つまり、想像上…思考というのは想像もしますね。
皆さん想像好きですよね、いろんなこと想像しますね。
例えばネガティブなことを想像したとしますね。そうすると、「想像している」ということは思考では分かっている。

ところが、心や体というのは想像しているかどうかが分からないんです。
「現実に今起きていること」という風に感じてしまうんです。
初恋ってしたことありますよね。初恋の時に、意中の人を想像するだけでドキドキしますね、しましたよね。
目の前にいないんですよ、想像しただけですから。
でも体はドキドキしちゃうんですね。こういうことなんです。

想像しただけで体は動いちゃうので、休んでいる時に仕事のことを考えたり、家事のことを考えたり、子どもの世話とかなんとかかんとかっていうことを考えていると、体も休んでいないんですよ。動いているんです。
仕事しているのと一緒、家事しているのと一緒の状態になっちゃうんですよ。
なので休むときには、そういうことを考えない。

しっかり休むコツ

でも「考えない」というのは難しいので、リラックスすることを考えるんです。
例えば、ハワイの海にいることを想像しながら、そこで寝そべっている感じ…とか。
人によっていろいろなリラックスがあると思いますけども。
山の中とか、川のせせらぎを聞きながらとか、どこどこの温泉とか、草原の中とか、何でもいいんですけど。

そういうリラックスできることを考えちゃうんですね。そういう癖をつけるように。
考えやすくするためにそういうポスターだとか、海のポスターを貼ったりだとか、山の写真集だったりとか、川のせせらぎのCDだとかを用意して。
僕は雨音のCDが好きなんですけど。そういうものをかけるとか。

「雨」って副交感神経系なんですよ。
「晴れ」って交感神経系なんです。
だから、雨が降っているほうが休めるんですね。
晴れの日って気分が良いと思うんですけど、実はそういうときってあんまり休めないんですよ。
交感神経が自動的に働いちゃうので。
そういった感じで、そういう(リラックスする)思考にしちゃうんです。

「動きたくない」という体の状態を十分感じる

体が動かない時って、体は「動きたくない」って言っているので、実は思考で「何かしなきゃな」となっている。
体がついていかない、動かないということは、体は「動きたくない」と言っているので。
どうぞその体の「動きたくない」という感じを十分に味わいながら、動かないでください、ということなんです。

そうすればエネルギーが溜まってきます。
エネルギーが溜まってくれば、動きたくなるんです。絶対動きたくなります、エネルギーが溜まってくれば。
エネルギーが溜まらなかったら、絶対動きたくないって思うんです。
それを頭の中で思考が「動け、動け」と指令すると、体は無理やり動くかもしれないですけども、疲労はどんどん溜まっていっちゃうから、やる気はどんどん落ちていく。

やる気とエネルギーというのは同じなんです。
エネルギーが上がれば、自然とやる気も上がる。
エネルギーが下がれば、やる気も下がる。
なので簡単に言うと、「症状は良いこと」と言いましたけど、体が動かないのは「体が動かない」という症状なんですね。
動かないんだから、動かないようにしてあげる。

さっきけいれんの時には「動きたいので動かしてあげる」と言いましたね。
傍から見ると「あの人何?」と思われるかもしれないですけど、とても重要なことなんですよ。
傍の人たちはみんな「思考」ですから。
「こういう枠組みで」「人って普通こうだよね」というのを当てはめて見ているんですけども、人ってそれぞれ全部違うので。

だからやる気が起きない、体が動かないんだったら、動かない体をちゃんと味わい尽くすというか。
もうこの体は動かないからもう動かない、とか。
そうするとどうなるかというと、「転じる」んですね。

エネルギーが溜まれば自然に動きたくなる

転じるというのは何かというと…「太極図」というのがありますね。
この図の(白もしくは黒の)太い部分が細くなったところでまた太くなるんですよね。
これは陰陽のマークで、ずっと陰の状態ではなく、陽にもなるよということですね。
ずっと夜ということはないですね、夜が極まれば、太陽が出て朝になります。
ずっと朝昼ということもないわけですね。朝昼がずっと続けば、夜になるわけです。

さっき言った(エネルギーがないのに動くという)ことは、昼が良いからと言って太陽が沈まないように一生懸命やっていることになっちゃうわけです。
太陽が沈んでいくように、動きがありますので、そういう風に転じるので、体が動かないんだったらちゃんと動かないようにしてあげる。
どっぷりそれに浸かってあげる。そうすると、動きたくなってくるわけです、だんだん。
それは何でもそうですね。

熱が上がってきたら、下げないようにしてあげるんです。だからお布団をかぶって寝ますね。
下げる方がいいんだったら水風呂でも浴びて下げたらいいんですけど。
でも38度を下回っちゃうと、免疫のスイッチが弱になっちゃうので、強にするために、布団をいっぱいかぶせる。
このほうが風邪が早く治るということを昔の人はちゃんと経験しているわけです。解熱剤とかない時代に。
だからもう、しこたま火を焚いて、部屋の中を温めて、体温を低くしないようにするということをやってきたわけです。


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症状対策