2つの視点

更新日:2018.06.06

執 筆:整体師 神田昌紀

突然ですが、あなたは2018年5月に新橋で「高校生の集団過呼吸」というニュースがあったのをご存知ですか?
患者さんの中でも過呼吸になる方はいらっしゃるかと思いますが、なぜ過呼吸が集団で起きたのでしょうか?

知らなかった方のために説明します。
高校生が遠足で都内を訪れていました。しかし、数人の生徒が集合時間に遅れてしまいました。
そこで、先生が叱責していたところ集団過呼吸が起こりました。

最初は、叱責されている生徒が過呼吸になりましたが、さらにその状況を見ていた周りの生徒も同時に過呼吸になったのです。

あなたも2つの視点を使い分けている

人は通常、自分自身から見た視点(状況の中にどっぷりつかっている状態)と自分を客観的に見る視点(状況の外に出て観察している状態)の2つを持っています。
そして、この2つを上手く使い分けながら私たちは生活しています。

今回の出来事で、過呼吸になった生徒を見て同じ症状になった生徒は、この使い分けが上手くいかなかった可能性があります。

自分自身から見た視点

例えば自分自身から見た視点(状況の中にどっぷりつかっている状態)は、次のような特徴があります。

長所は、楽しい事があった時には目一杯楽しみを感じることができます。
短所は、悲しんでいる人や辛そうな人をみると、自分と切り離すことが出来なくなります。
例えば、他人が悲しんでいる、辛い状態でいると、まるでそれが自分自身の中で起きているかのように感じてしまいます。

このように、状況の中にどっぷりつかっている状態が悪い方に働くときは、今回のように他人の過呼吸が自分で起きているかのように感じてしまいます。

そして、自律神経も「緊急事態!!」と判断して交感神経を働かせます。
すると脳は、酸素がたくさん必要!と体に命令しますが、体の緊張感が普段から高い人は体が反応しきれずに苦しさとなってしまいます。
そのため普段からケアをして、体に余裕を持たせておくことがとても大切です!

自分を客観的に見る視点

次に、自分を客観的に見る視点(状況の外に出て観察している状態)の特徴をみてみましょう。

長所は、相手の気持ちに引っ張られず客観的にいられます。そのため冷静に物事を考えられます。
短所は、楽しい事があっても客観的に見てしまうため、十分に楽しむことが難しくなってしまいます。
なぜだか楽しめないという人は、この状態になっているかもしれません。

このように、どちらも長所、短所があります。
そのためどちらか片方だけしか使えないと、とても苦しい思いをしたり、問題が出てくることもあるでしょう。

誰にでもこの2つの視点はあります。
あなたはどちらの視点が得意、不得意でしょうか?

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