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今昔物語 高木裕司 VOL.8

今昔物語 高木裕司 VOL.8

希望した金沢の料亭に修行を申込みますが、あっさりと断わられてしまい、3年先まで修行する人が決まっているなんてスゲー店だ! あきらめて他の店を探そうと思っていた矢先のことです。

どこから聞いたのか、私がその店に入りたがっていることを知った知り合いのオジサンが、「俺の会社の金沢支社は接待でその店よく使ってるから聞いてやろうか。」と言ってきました。
その話があってから急にその店を辞めたスタッフが出たらしく、トントン拍子に話が前に進み、僅か2週間後には面接を受けて採用が決まりました。

どんな素晴らしい店なんだろうと期待は膨らむばかりでしたが、仕事が始まると、それは想像をはるかに超える厳しい現実が待っていました。

料理人は全部で17人†
その中の4名は調理長クラスのスゲ†人達で本当に恐かったです。
入店して2年ぐらいは、先輩に毎日、怒鳴られ、殴られ、蹴られる、そんな日々が待っていました。

なんせ私が在籍していた期間だけでも何人も夜逃げしていましたから(笑)

先輩に怒られるのも辛かったですが、一番きつかったのは睡眠時間が取れなかった事ですね。
仕事は忙しくなると朝の5時ぐらいから夜の12時過ぎまで続きます。

しかも、休憩や昼ごはんを食べる時間もほとんど与えらない過酷な労働環境、仕出しの仕事が入ると何日も徹夜仕事になることも多かったです。

しかも給料は一桁で、住居は築45年の木造で、隙間風がぴゅーぴゅー入ってくるような古い建物で5畳の狭い部屋に3人が雑魚寝しているという劣悪な生活環境でした。

ある先輩が言っていましたが、ここの修行生活は刑務所の生活よりしんどいと(笑)

最初の2年は辛かったですが、3年目ぐらいから後輩が入ってくると色々な仕事を任せられるようになりました。
手先が器用な方ではなかったので造形や盛り付けは褒められませんでしたが、味付けに関しては上の方のほぼ全員に認めて頂きました。

一番嬉しかったのは師匠の若主人のおかげで憧れの鉄人の方々や有名な料理人に会えたり、また、自分の料理を褒めて頂いたりしたことです。
中でも中華の鉄人の陳健一さんはすごく気さくな方で厨房まで入って来てくれて握手までしていただきました。

修行は厳しかったですが、修行に来てる同僚とはすごく仲が良くてプライベートは結構楽しい事もたくさんありました。給料は安かったですが、生活費が掛からない分、結構夜遊びも出来ましたし(笑)

そして4年も経つと得意な仕事も増えてきて将来の夢も具体的に考えるようになってきました。

7年この店で修業して、そのあと3年はもう一軒別のお店で修業してから割烹スタイルのお店で独立出来たらいいなぁ†なんて思っていました。しかし5年目の冬、実家の父親からの1本の電話が私の将来を大きく変えてしまいます。









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